ESPのバス会社は現在どうなっているのか。その後や倒産はしたのかについて今回は見ていこうと思います。
軽井沢のバス事故は本当に尊い犠牲になってしまったことを未だに覚えています。
スキーバスが転落し、14人が死亡、27人がけが、乗客の大半が10~20代という若者が多くいた不運な事故でした。
今後はこのような事態を招かないように会社はどう動いたのか見て行きます。
目次
軽井沢スキーバス事故犠牲者が10~20代の若者
スキーバス転落 15人死亡、26人けが 乗客の大半10~20代 長野・軽井沢のバイパス
2016年1月15日午前1時55分ごろ、長野県軽井沢町の国道18号碓氷バイパスの入山峠付近で、スキー客を乗せた満員状態のバスがガードレールをなぎ倒し道路脇の斜面に転落した。
菅義偉官房長官は同日の記者会見で15人が死亡したと発表した。県警や消防によると、ほかに負傷した10~20代の若者ら26人が長野県や群馬県の複数の病院で手当てを受けている。
15人のうち運転手の二人も亡くなっていることがわかっています。
軽井沢バス事故の詳細
バスは群馬県から長野県方面に向かう国道18号碓氷バイパスの緩やかな下り坂を走行中、左側ガードレールに接触したのち対向車線へはみ出し、約100m先のガードレールに衝突しながら道路右側に転落した。
一般道のガードレールは高速道路と異なり、バスの衝突に耐えるような設計とはなっていないとの話もあるが、国土交通省によればこのガードレールは鉄製であり、制限速度であれば耐えられたとしている。
バスは3m下の斜面で横倒しになり、フロントガラスが割れるなど車体前面が破損。
天井部分も立木に衝突しひしゃげて大破した。
事故当時、路面は凍結しておらず、事故後の路面には通常のブレーキ痕とは異なる片輪だけのタイヤ痕が直線的に残されていた。事故直後、乗客が「バスが横転した」と110番通報した。
佐久広域連合消防本部にも「バスが横転事故を起こした。けが人が大勢いるが暗くて何も見えない」「気づいたら森のようなところにいる。怪我人がいる」などの早口で慌てた様子の119番通報が3人の乗客からあった。
バスの天井部は激しく潰れ、床までの間が1mほどしかなく、通り抜けができなかったため、消防は油圧カッターなどで窓を切り開き、車内に進入した。
バスは事故直前に急ブレーキをかけていたとみられたが、現場250m前に設置された国土交通省の監視カメラの映像ではブレーキランプは何度か点滅するが、ほとんど点灯したままの状態だった(また、現場1km前にもカメラがあり、そのカメラの映像では異常は見られなかった)。
警察の調べで、バスは左側のガードレールに接触する前から制御不能となった可能性があること、制限速度時速50kmの現場区間を時速100km前後で走っていたとみられること、事故直前は時速96kmで走っていたことがわかった。
軽井沢バス事故の原因
同社は2015年2月に国土交通省の立ち入り捜査を受けており、その際、運転手の健康診断、乗務前の健康及び酒気帯び確認、入社時の適性検査などを怠っていたことが判明し、この事故の2日前の1月13日に、保有するバスの1台を20日間運行停止とする行政処分を受けている。
なお、イーエスピーは「運転手の体調や車両に問題はなかった」としているが、事故時に運転を担当していたとみられる運転手は一度も健康診断を受診していなかった(一方、交代要員の運転手は健康診断を受診していた)。
また、外国人観光客の急増などでバスの需要が高まり、バスの運転手は人手不足となっている。貸し切りバスの事業者は2000年の規制緩和によって、2000年度の2864社から2012年度は4536社に増え、2011年には事業者の7割以上が運転手不足と回答している。
人手不足の影響で高齢化が進み、2012年時点の平均年齢は48.5歳で、2002年と比べて2.9歳高くなったほか全産業の平均年齢と比べると6歳も高く、更に、60歳以上の割合は16.4%となっている。
事故車の運転手も65歳で、同乗していた別の運転手も57歳であった。その上、1人当たりの総走行距離の増加、有給休暇の取得日数減少、賃金の減額(この低賃金も運転手不足の一因になっているとの指摘もある)など、労働環境は悪化しており、こうした事情が事故に繋がったという指摘もある。
他にも、バス会社だけでなく格安ツアー会社にも問題があったようです。
イーエスピーは国が定める基準(約27万円)を下回る金額(約19万円)でバスツアーを引き受けていた。イーエスピーは「下限の金額を認識せず、相場感で契約してしまった」と述べた。
イーエスピーの営業部長は「キースツアー以外にも、これまでに3 – 4社から国の基準を下回る安い価格で運行を受注していた」と話し、理由については「ツアー会社のほうが立場が強い」と話した。
なお、大手バス会社ではこのようなものは受け付けてくれない為、小規模や零細バス会社に受注が回ってくるという。その他、運行側も走らせない方が経費が嵩む、やっと仕事が来たなどの理由により、下回る金額でも受けてしまうという。
キースツアーの企画に同乗したフジメイトトラベル社への東京都の立ち入り検査では、同社がバス運行会社がイーエスピーであることを事前に把握していなかったことが判明。検査を受けたフジメイトトラベルの社員は「安全重視だったはずのキースツアーが、なぜずさんなバス会社を利用したのか」と話した。
都はフジメイトトラベルが旅行業法に基づく安全確認を怠ったとみて行政指導をするとみられている。
・高齢化に伴う人手不足
・ツアー会社による格安提携による労働環境の悪化
・細部まで確認ができていない会社の責任
格安ツアーの裏に孕(はら)んでいる労働環境の状態。
バス会社の人手不足。
どちらも会社側が隅々まで見ていなかったことによる問題。
その後はどうなったのでしょうか。見て行きましょう。
軽井沢スキーバス事故 バス会社の現在とその後
自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で、事故当日夜にイーエスピー本社、翌日にキースツアーなどツアー会社3社、及び事故社の運転手の自宅を家宅捜索した。
19日、事故車の検証を開始。バス運行会社のイーエスピー及びキースツアーなど旅行会社3社から任意で事情を聴き、2017年6月27日に、事故当時バスを運転していた運転手を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死傷)、イーエスピーの社長ら2人を業務上過失致死傷(不慣れな運転手に運転をさせた)容疑で長野地方検察庁に書類送検した。
警察は、バス会社の社長と運行管理担当の元社員が、大型バスの運転に不慣れな運転手への指導を怠ったとして、業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。
死亡した運転手についても、ギアチェンジの操作ミスなどで事故を起こしたとして、過失運転致死傷の疑いで書類送検しました。
書類送検されたバス会社の「イーエスピー」の高橋美作社長(55)は、NHKの取材に対し、
「書類送検されたことを真摯(しんし)に受け止めている。当時の認識としてはバス事業全体を運行管理者に任せていて運転手が大型バスの運転に不慣れだと聞いたことはなかった。無責任だと言われれば申し訳ございませんと言うしかなく、もう少しバス事業に関わっていればよかった」
と話しました。
そのうえで、
「被害者やご遺族にはおわびをささげることしかできず、そういう気持ちで毎日を過ごしている。時間がかかろうと被害者やご遺族には直接、謝罪させていただけるよう誠意をもって対応していきたい」
と述べました。
軽井沢スキーバス事故を受けてESPのバス会社の対応
イーエスピーの処分は「貸切バス事業の認可取り消し」とする方針。
2月2日、国交省は計33項目にわたり道路運送法などに違反したとして、イーエスピーに対し貸切バス事業の許可を取り消す処分案を通知した。
2月19日に聴聞を実施した上で2月中に正式に処分を決める方針。事業許可取り消しは、2012年の関越自動車道高速バス居眠り運転事故で規制が強化されて以来2件目となる(処分が確定すると、同社役員らは2年間事業許可を取ることができない)。
法改正を伴わない対策は3月までにまとめ、夏までには最終的な報告書を取りまとめる方針。
また、バス事業者が運転手を採用する際、運転手が長年運転していない大きさのバスを運転する場合は講習を義務付ける方針を固めた。
2月10日、関東運輸局山梨運輸支局はバス事業者を対象に緊急講習会を開いた。
今後はバスなどを手配する所謂ランドオペレーターへの処分も検討しているほか、ツアーパンフレットに、運行事業者を記載する方向で検討している。
ツアー会社
旅行会社キスツアーは謝罪をし以降のツアーを中止する方向と発表しました。
そして3月18日で東京都より旅行行登録の取り消し処分を受けましたその後すべての営業終了しています。
運行会社
イーエスピーは大型バスを使う事業から撤退する方針を明らかにしました1月19日国土交通省関東馬曲は道路運送法第40条の規定に基づき一般貸切旅客自動車運送事業の許可の取り消し処分を行いました。
社長らは、初めて事故現場に訪れ献花や黙祷を行いました。
軽井沢スキーバス事故のまとめ
今回はこのスキーバス事故でたくさんの方々が亡くなられました。
このことをバス外車やツアー会社は重く受け止め、これからの事業展開は念入りにしてほしいと思います。
他のツアー会社や旅行外車はこれを踏まえ労働環境の改善や健康状態の徹底など隅々まできちんと仕事ができているかに見張って欲しいものです。
こんな悲しいショックな出来事が今後起きないように祈っています。
亡くなられた方々に黙祷を捧げたいと思います。